公約通り、大統領令で
アメリカのトランプ次期大統領は11月21日、自身の政権移行チームのウェブサイトに、就任から100日以内に取り組む政策課題についての動画メッセージを公開し、その中で、選挙戦の公約通り「就任初日に」環太平洋パートナーシップ協定(TPP)から離脱を表明する考えを明らかにした。
この動画で、トランプ氏は議会承認を必要としない大統領令で迅速に取り組む優先課題として6項目を列挙しており、TPP離脱はその一つ。なお、トランプ氏が大統領就任するのは、来年1月20日である。
背景
TPPに参加する12カ国は11月19日午後(日本時間20日未明)、ペルーの首都リマで首脳会合を開いていた。安倍晋三首相やオバマ米大統領らが出席していた。
この首脳会合では、参加国が国内手続きを推進することが確認され、これによりアメリカの外堀を埋め、来年1月に発足するトランプ次期政権に再考を促す構えであった。オバマ大統領も「TPPの重要性について今後も国内での理解を求めるべく尽力を続ける」と発言していた。
トランプ氏は、12カ国首脳会合で確認された方針に構わず、TPP離脱への手続きを直ちに実行に移す構えであることを改めて示したことになる。
トランプ氏の方針
トランプ氏は「私の政策課題はアメリカ第一主義という原則に基づいている」と述べている。また、国内の雇用拡大を重視する考えを強調した。
TPP離脱については、この協定が貿易面でアメリカにとって大きな災難となるおそれがあることを理由とした。TPPに代えて、「アメリカに雇用と産業を呼び戻す」公平な二国間貿易協定の交渉を進めるとしている。

President Elect Donald J. Trump
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