電子商取引企業のため
欧州委員会は12月1日、EUにおける電子商取引およびオンラインビジネスを支援するための新しい税制規則を提案した。
欧州委員会はこの法案の中で、キーアクションとして、オンラインで商品を販売する企業が、EUの付加価値税(VAT)に関する義務を1か所で簡単に処理できるようにするための新しいルールの導入を挙げている。
電子商取引の最大の障壁
現在、オンライン販売を行う企業は、商品を販売するすべてのEU加盟国で、VATに関する登録を行う必要がある。この費用は、約8000ユーロにおよぶとされており、国境を越えた電子商取引を困難にする最大の障壁の1つとして挙げられている。
欧州委員会はこの障壁を取り除くため、「ワンストップショップ」と呼ばれるオンラインVAT支払いのためのポータルの導入を提案している。
「ワンストップショップ」
「ワンストップショップ(One-Stop-Shop=OSS)方式」とは、いくつかの加盟国で事業展開する企業が、それぞれの国で別々に行っているVAT実務を、1つの国で一括処理できるようにするプラットフォームである。
その縮小版として既に、通信、放送、電子サービスのプロバイダーに対する「ミニワンストップショップ(Mini OSS = MOSS)」が、2015年1月にスタートしている。今後、徐々に他の業種にも広げていく計画だ。
導入による成果として、2015年には、企業の管理負担は95%削減、企業には23億ユーロの経費削減をもたらし、加盟国のVAT収入は70億ユーロ増加したとしている。また、最終消費者の加盟国でVATが支払われることも保証され、EU諸国間の税収の公平な分配をもたらすとしている。

European Commission - Press release
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-16-4010_en.htm